- 2007-07-26 (木) 22:24
- コラム
この二人の名前を知っている人は意外と少ない気がする. かくいう自分もつい最近知った.
小林一三とは阪急・東宝の創始者であり,「今太閤」とまで 呼ばれた有能な実業家である.対する大谷竹次郎は松竹の 創始者である.東宝と松竹と言えば,黎明期から現在まで 日本のエンタテイメントを支えてきた二大巨頭である. 現在の映画の配給を考えてみると,東宝か松竹のどちらかと 言ってよい状況である.
しかし,その内訳は興行成績の良いものはほとんどが 東宝配給となっている.これは偶然などではなく,東宝と 松竹のスタンスの違い,もっと言えば小林と大谷の考え方の 違いに基づいている.まぁこれを調べてまとめるレポートが 出ているわけですが….
あんまり長く書いてもしょうがないので一点だけ述べておくと, 小林は演劇を行う際,まず観客の懐具合から観劇料を妥当な 額に設定し,その上で客の入りを見込んで予算を決定する. しかし,大谷はスタッフを決め役者を決め舞台装置などを決め, 必要であるお金を見積もった後に,それなら観劇料はいくらに しなければならないということで決定する.
この違いはとっても大きい.どちらがいいということではなく, 根本的に違うということを認識する必要がある.どっちが 好きかは多分好みだろう.実際大谷は小林のやり方が許せないと 書いている.
ただし,事業として大きな儲けを出せるのは小林方式であることは 東宝一人勝ちの状況が証明している.なぜかということは 各自が考えるべきことだが,僕が思うには,皮肉にも大谷が 書いている様に小林式の事業が対象とする客は「小学生」なのだ. これは6歳~12歳が対象ということではなく,その分野の 初心者を対象にしているということだ.つまり芸術を楽しむ 人を対象にはしていないということ.別に演劇や映画に限らず 対象によって価格の設定は違ってくる.電化製品だって, その細かい所までこだわって選ぶような「大学生」に売る 商品と,ともかく動いてくれればいいという「小学生」相手では 価格設定の根本的な発想が違うはずだ.
あとは自分がどちらを対象にするのかによって適切な方法を 選択すればよい.間違えると,ひどいことになるんだろうなぁ. 例を探しておこっと.
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