- 2007-09-22 (土) 1:44
- コラム
痛いニュースにとっても気になる記事があがっていたので取り上げます。
- 痛いニュース(ノ∀`):“YouTubeなども” ネットでの「無許諾の音楽・映像」入手、自宅での個人利用でも違法に…“iPod課金”も検討
記事の趣旨は、著作権団体がYouTubeなどのサイトから著作者の 許可なくアップされている作品をダウンロードすることにも 課金しようという動きがあるということ。現行ではアップした人は 罰せられる可能性が高いが、ダウンロードする側が罰せられたりということは なかった。そこも規制していこうという話。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
正直、ため息しかでません。どうして、流れに逆行することをしようとするのか、 しかもそれを強く推しているのが著作権を持っている方を代表する団体だという ことが、とてもとてもとても残念でならない。IIJのインターンでもじっくり考えたけど 結局著作権というのはコピーライツではないということが分かっていない。 それがとても悲しい。こういう人たちが著作権について考えているうちは いい制度も法律もできるはずがない・・・。虚しいことだ。
その昔、デジタルデータが存在しなかった時期には、著作物の内容を 複製しようとしたら、それはかなりの労力を要していた。アナログのデータは 複製のコストがとても高い。コストとはお金だけでなく、手間もふくめたコスト。 例えば、今最強のアナログコンテンツである書籍を考えてみて欲しい。 今はコピー機があるから、手間をかければ全ページコピーすることも できなくはないが、あまりやろうという人はいないよね?さらにコピー機の ない時代には、写本といって人間が文字を書き写していた。今から考えても ものすごいコストだ。信じられない。
だからこそ、簡単にはコピーできなかった。それでもコピーする人というのは そこに相当のリスクを払って、何とかリターンを得ようとする人達だったはず。 つまり、海賊版だ。ここはきちんと規制しないといけないということで、 コピーライツとしての著作権が生まれたのだと思う。
それが、コンピュータの登場によって、デジタルコンテンツというものが 誕生した。デジタルコンテンツとアナログコンテンツの最大の差異は、 複製にかかるコストが桁違いということだ。VHSをダビングすると 映像は劣化するし、デッキは2台いるしと、手間をかけても完全なコピーは できないという状況だった。しかし、デジタルコンテンツはコストゼロで 完全なコピーを作ることが、誰にでもできてしまう。
ことここに至って、コピーというものの概念が変化していることを 認識する必要がある。写本の時代を考えれば分かる様に、 コピーすることは多大な労力を要するくせに劣化する行為だったのに、 デジタルコンテンツに於いてはDVDのリッピングの様に、多少の労力で 100%のコピーが得られる。ここは完全にパラダイムシフトしているのである。 それを気づかずに、アナログ時代と同じように規制しようという姿勢が すでに間違いなのである。もはや時代は変わっているのだ。
では、デジタルコンテンツ時代における著作権とはいったい何なのか? 僕の考えを端的に述べると、
「著作者が、生み出した作品の正当な対価を受け取る権利」
ということになるのではないか。もちろん、アナログ時代にもこれは 暗黙的に了承されていたが、目に見える形ではコピーの制限ということが 実行されていたというだけで、著作権の本質は決して変わってはいない。 つまり、デジタルコンテンツが生まれたことにより、著作権の本質を 表面にあらわしてくる必要が出てきただけなのだ。
そうすると著作者は、利用者が自分がお金を支払って購入した作品の バックアップのためにDVDをリッピングして保存していたとしても、 きちんと著作者に対価を支払っているのだから、怒るべきポイントでは ないはずだ。というか、実際クリエイタはそんなことで怒ってはいないのでは ないか。クリエイタは自分の作品がYouTubeで見られていようが、 その作品に対する価値をきちんと支払ってもらえるのなら、別になんとも 思わないだろうし、むしろ、多くの人に楽しんでもらえたほうがよいと 望んでいるのではないか。この点からして、著作権団体が冒頭の 記事の様な主張をしているのが僕は残念だと思っている。 きっとこれらの団体は本当のクリエイタとは乖離したところで動いているのでは ないのだろうか。それが残念でならない。
自分の考えをまとめるためにもまだまだ続けます。
著作権をさっきの形でとらえたとすれば、著作者が腹を立てるケースは 正当な対価を支払わずに作品の一次ソースを入手された場合と、 自分の作品の一部または全部を使って他人が利益を得ている場合だろう。 具体例で言えば、アニメのDVDのisoイメージ(DVDのデジタルデータそのもの)を Winnyなどでただで入手する場合が前者だし、後者は勝手にキャラクタの フィギュアを作って売ったりする行為やいわゆる二次創作の同人誌を 売って利益を得ている場合にあたる。
ここが大きな壁になってくる。上に挙げた行為というのは、デジタルデータに 於いては比較的簡単にできてしまうのである。特に前者のケースでは 顕著である。これを技術で規制するという方向を先鋭化させれば、 コピーワンスの様なわざわざ可能性をつみとるような技術を開発するということに なっていくのだろう。また、制度で規制しようとすれば冒頭の記事のような 課金制度などにつながっていくのだと思う。だが、僕の考えでは それは間違ったアプローチだと思う。というのも、先にも述べた通り、 デジタルデータは複製が簡単、つまりそもそも複製されてしまうものなのだから、 それをいくら技術や制度・法律で縛っても、誰かがコピーするし、法律を すりぬける方法を考えてくるのである。いたちごっこになるだけで、 無駄な労力を払いつづけることになる。
だったらどうすればいいのかというのが、きっとこの問題を考えている人たちの 共通の課題だと思う。これに対して、僕は4月あたりからコンテンツの勉強を 始めて以来ずーーっと考え続けている。まだ明確な答えは出せていない。 だが、ひとつ考えついている形がある。それは、「教育」だ。
結局、この問題を技術や制度で規制しても無駄なのだとすれば、 そもそもしようと思わない様にすればよい。それは何かと言えば、 先ほどの著作権の定義に戻るが、著作者に正当な対価を支払うということが どれだけ当たり前のことなのかを教育していくしかないのではないか、 というのが僕の考えだ。
特に映像作品について言えることだが、我々は映像作品とはテレビで 無料で見られるものであるという意識があまりにも強すぎる。 映像作品だって芸術作品なのだから、クリエイタはそれ相応の労力を支払って 制作しているのである。それに対して何の対価も支払わないというのは いかがなものか?
クリエイタがお金を要する理由は、単純に「よりよい次回作を作るため」という たったひとつの理由でしかない。もちろん裕福な暮らしをしたいという 思いもあるだろうが、それとともに、自分の作った作品から得られた 対価を使って、また次の作品を作ろうというのが根本的な思いだと思う。 僕自身がクリエイタではないからここはまだ推測の域はでないが、 それほど間違ってはいないと思っている。
したがって、クリエイタの作品に対してきちんと正当な対価を支払うことで、 それを元にクリエイタは次の作品を作る。このループが存在するということを きちんと教育していくことが絶対的に必要だと、強く思うようになってきた。 こういう仕組みがあると分かっていれば、たとえ自分の手元にDVDが あっても、これをWinnyに流すことでただで入手したらお金を払わない人が たくさん出てきてクリエイタが資金不足で作品が作れなくなるという状況が 思い浮かべられるのではないか?そのクリエイタの作品を楽しみ続けたいと 思っているのであれば、Winnyに流すよりも友達に口コミで勧める方が よっぽどいいんだと気づくはずだ。
そのような、リテラシー教育が日本は欠如している。この部分は常々 思っているし、僕の最終的な目標はこのようなリテラシー教育を 現場でやるということにある。例えば、もっとリテラシーの 欠如している大陸にあるお隣りの国を見てみれば、このままの 日本の未来が見えるのではないか。もはやコンピュータのない時代とは 異なる世界にいるのである。いつまでも国語や数学ばかりを 教科として教える姿勢を改めてはどうだろうか?僕はリテラシー(コンテンツや メディア)も教科だと思うし、音楽や美術も国語数学などと同等な教科だと 思う。アニメが日本の文化だとか言うのだったら、アニメの歴史や 視聴の方法などを教えることは必要じゃないのか?そういうマインドチェンジを せずに、やれ複素平面は必要だ必要じゃないだ、円周率は3でいいだろうとか、 小学校から英語をやるべきだとか、盲目的に議論をして満足している現状が 腹立たしくてしかたない。馬鹿げている。こういう人たちは本当に、教育のことを 考えているんだろうか。現状の、僕からしたら古典的な学校で教えていることの他に、 もっと教えるべきこと、人生において大事なことがあるんじゃないのか? 部活以外で学校にあまりいい思い出のないひがみかもしれないけど ずっと気になってることです。
最後に著作権に戻りますが、こうやってクリエイタをもっともっと称えるような 姿勢をみんなが身に付ければ、その行動は自然とクリエイタがきちんと 利せるようにしようとなるはずだ。あとは、正当な対価をどのように支払って もらうかが重要な問題になる。それはDVDを直で買ってもらうこともあるだろうし、 ネットでお金を払ってデータをダウンロードできる様にすることもできるだろう。 他にも、作品のマーチャンダイジング商品にお金を支払うこともそれに当たる。 こういった仕組みを整備することに、もっと尽力すべきなんじゃないかと 思えてしかたがない。著作権について制度を決めたり技術を作ったりする人達には もう一度著作権についてや、デジタルコンテンツについて勉強しなおして欲しい。
- Newer: おおきく振りかぶって24話
- Older: インターンシップに行ってきたお
コメント:0
トラックバック:0
- このエントリーのトラックバックURL
- http://blog.riywo.com/2007/09/22/014446/trackback
- Listed below are links to weblogs that reference
- 著作権について from As a Futurist...

