- 2007-10-15 (月) 12:40
- コラム

今日は唯一の授業が休講という罠。でもソンナノカンケーネ! というわけで、久々にたらたらと不満を書き綴ることにします。
さて、先日ヨドバシカメラへ行った際にiPod touchに触ってきました。 あのタッチパッドはすごすぎる。全く使いかたを知らない 人でも触れるし、それを見ただけで他の人が見真似することも できる。写真を拡大縮小する動作なんかかっこよすぎる!
そういえばたしかタッチデバイスでは、2点の接触を検知するのが 難しかった気がするんだけど、難なくやってのけてるアップルは やっぱりすごい。それもこれもジョブズのこだわりなのかぁ。 アップルすげぇ。タッチ以外にも、重力センサが入っていて、横を向けると画面も 自動的に横向きになる。WiFiがつながっていたので、youtubeを 見てみたが問題なく再生される。値段以外、文句のつけようが ないデバイスでした。
さて、見真似っていうのができるPCデバイスって優秀だよね。 マウスとかタブレットとか、あとはUSBという仕組みも、挿せば使える、 外すときは抜くだけっていうのはとてもわかりやすい。対して、 キーボードは実にわかりにくいデバイスだよね。でも、慣れてしまうと どんどん使い易くなる。この辺は前にも書いたと思うけど、 見まねができるインタフェースはいわゆる「レジのバーコード型」で、 誰でもすぐ使えるけど、習熟度に比例する速度の向上が少ないタイプ。 いくらマウスに慣れたって、劇的に操作が速くなることはないよね。 一方でPCの初期設定みたいな、初心者には難しいインタフェースは 「キーボード型」であり、最初はとても難しく何もできないが、慣れれば 慣れるほどどんどん効率が良くなり、バーコード型の効率を追い抜いてしまう。 どちらも一長一短であり、たぶんいいとこ取りは難しいような気がしている。 ただ、ある機能について一方のインタフェースしかないのは問題だと思う。 昔のコンピュータはキーボードしかなくて普及しなかったが、マウスという 発明によって広く普及した。使いかたはシンプルにならないと絶対に 普及はしません。
シンプルイズベスト。これは、昨日お話しを聴いたロボットクリエイタの高橋智隆さんも おっしゃっていました。
高橋さんは、ゼロから自分でロボットを作ってしまえる、稀有な存在。 まぁ、それなりの動きをするロボットを作れる人はその辺の 大学にいっぱいいそうですが、あそこまで洗練された形で 組み上げられる人は、たぶんまだ世界にいません。 PCでいうジョブズみたいなセンスの持ち主であり、ウォズみたいな 技術も持っているというスペシャルな人。なのに、僕が一応 所属している、「大学」という組織に属する人達は、高橋さんを鼻で笑っている。 なぜか?いわく、「高橋さんのロボットは理論がない」。いわく、「高橋さんの ロボットは数式がない」。
正直なことを言えば、卒論を終える前までの僕もそう思っていました。 つまり、近代科学技術にどっぷり染まった理系バカには、ああやって 感性でモノを作ってしまえる人を認めることができないのです。その人が すごい人かどうかは関係なくて、ああいう感性的な技術(デザインだとか)を 認めようとしても、自分たちの積み上げてきたものにつなげることができないから 否定せざるを得ない、実に可哀想な人達なのです。これは自分が過去に そうだったから断言できます。デザインがかっこいいことは決して科学や工学では 「研究」にはならないのです。
ソフトウェアだって、結局は美しい、可読性のあるソースをいくら頑張って 書いても、結果がそれなりならそれなりの評価しかされない。一方で、 もはや誰も手が付けられないくらい複雑で難解になってしまったソースで あっても、すぐれた結果が出れば大いに評価される。クローズドな世界なんだなぁ。 これが大学の研究の実態。こんな土壌では高橋さんの様な人には 用がない。それよりも、もっと結果を出してくれる馬車馬の方が歓迎なのだ。 感じることのできる人は必要ない。
でも、そんなの無視して、高橋さんはとりあえず作って動かしてみた。 それでうまくいったんだからいいじゃないか、と言ってのけた。 これって結構勇気のいること。でも、これからの時代、こういうことも 必要なんじゃないか?なんとなく投げてみたら、すごいボールになっていて、 あとで調べてみて初めてジャイロボールだったと分かる、みたいな感じ。 ジャイロを投げようと思って投げたわけではなく、ともかく勝ちたいという 思いで投げていたら、新しい(ジャイロは新しいわけではないけど)ボールに なっていた。こういう感覚って、近代科学では許されない。あらゆることは 常に精密な設計の上に成り立っておらねばならないからだ。 だから、予想外にいい結果がでると逆に困ったりしてしまう。 素人科学じゃないけど、そういう分野からイノベーションが起きたりするんじゃ ないか?特にユーザに近い分野ではそう思っている。
ここで反論的に、野依さんと田中さんがノーベル賞をとった事例を考えてみる。 2人とも、研究の最中、たまたま実験を失敗したことから発明につながった わけだが、この2例は完全に近代科学の研究の中から生まれている。 これを素人ができたかと言われれば、それは無理だろう。でも、 これらは僕たちユーザにはとても遠い世界のできごと。ユーザのニーズとか 使いやすさなんて関係ない世界。こういう世界においては、これからも プロフェッショナルな研究者が必要だろう。
でも、コンピュータやロボット、さらにはコンテンツなんかは違う方向を 向いている。僕たちユーザがいてこその分野なのだ。そういう分野に おいてはプロフェッショナルの仕事だけでは、いつもユーザは 置いてけぼりをくらう。例えば、昨今のテレビ番組であったり、 GUIとCUIであったり、ロボットであったり。こういう分野ではユーザからの 発想も必要だと思う。もちろん、完全にユーザに委ねるのもよくない。 あくまで、プロのこうしたいというビジョンは必要だが、それだけでは ユーザから乖離したものが生まれがちになってしまう。うまく両方の意見を 採り入れて仕事のできる「プロデューサ」的な人が必要なのではないか、と思っている。 そしてそういう仕事ができれば最高だなとか。
テレビというメディアはこれに最も向いていると思っている。 何の気なく見ていた番組で紹介されていた技術に感動してしまい、 日曜大工ではじめてみる。そういうことを起こせる可能性はテレビが 一番高いと思っている。それは見ている人の数もあるし、映像の魔術もあるだろう。 テレビでマジックを見て、俺もやってみようとか、そういう刺激をもっと 多くの、もっと難しい分野で起こすことができれば、アマチュアがもっと 意見を発信する様になる。そうすることで、プロが刺激をうけて 方向を変えたり、プロの実態に憤慨して俺がやってやるという夢を もったアマチュアが出てくればうれしい。というわけで、長々と述べた 結論としては、僕はそういう番組を作りたいということです。
こうやって、書きながら考えていると、ジョブズと高橋さんはとても考えが 似ている気がしてきた。どちらも「パーソナルユーズ」指向なのだ。 ジョブズは一部の人間にしか扱えなかったコンピュータをパーソナルコンピュータへと 仕立てあげ、今でも全てのPCはマッキントッシュと基本的に変わらない。 高橋さんも、ロボットが一家に一台ある世界を理想としている。まさに 「パーソナルロボット」を作ろうとしている。そんな軟弱なロボットは認めないと、 異を唱えているのが専門家。ジョブズがマッキントッシュでGUIを送り出したときに、 コンピュータの専門家は鼻でせせら笑った。でも、今僕たちが触るコンピュータは GUIばかりだ。高橋さんがかっこいいロボットを作ったら、ロボットの 専門家は鼻でせせら笑った。さて、数年後僕等の前にあるのはどっちの ロボットかな?
P.S. あぁ、長すぎる。考えをまとめてから書くのが苦手で、書きながら考えて いるので、いつもこうなってしまう。ブログはこれでいいけど、ESとかは もっとまとめないとね。
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