この1年でコンピュータ・インターネットとの対峙が大きく変化した.
静的なインターネットとの接触
小学校でコンピュータと出会って,中学でインターネットと出会った.その時から1年前まで大体その接し方は 変わらなかった.それは言うなれば「静的」な接触.
情報を得たければ,Googleで検索し直接そこへ飛んでいく.情報を発信したければ自分で サーバに静的なHTMLファイルを作って公開する.圧倒的に脳や手先で処理する情報の量が多く, さらに手順も多いため利用することに対してストレスが強かった.
動的なインターネットとの接触
それがここ1年で急速に質的な変化を遂げた.Web2.0という言葉を実感せざるを得ないくらいに.
SNSからBlogへの変化
始まりはmixiからだった.「mixiとか始めたら終わりだと思う」とか意地張って無視してたけど, とりあえずやってみることで勉強しようと始めた.繋がりのうっとおしさ,日記がGoogleなどで ひっかからない,技術的につまらない(ブログパーツとかで遊べない)などがありSNSへの不満が募っていった.
そこで,ブログを始めることにした.自分で設置するのは大変だと思ったので,ブログサービスを 使うことにした.色々と検討した結果,ひとまず,はてなダイアリーを利用することにした. 理由は,wiki記法で書きたいと思っていたから.ブログというシステムで簡単に情報公開が できるのに,なんでタグを直打ちせにゃならんのじゃ,という思いがあるので,wiki記法で 書けるところを探していた.だが,ブログサービスの中では中々そういうのはなくて,結局 はてな記法ならまぁいいかということではてダになった.
検索にもひっかかるし,コメントやトラバもできる.なかなか良いなと思っていたが,逆に タグが自由に使えないことで不便も出てきた.ブログパーツを自由に設置することもできない. こうなりゃしょうがねぇ,自分でブログシステム設置しよう,ということになった.
MTとWPのどちらにしようかと思ったが,動的生成の方が楽だなと思ったのでWPに. 自宅サーバに置くという手もあったけど,サーバ管理はまだよく分からんので, レンタルサーバに置くことにした.金を出して借りたのは初めてだったが,ロリポップで お安く借りられた.昔はサーバになんで金なんか払うんだと思っていたが,管理の手間と セキュリティなどを考えれば,妥当な線だということがよく分かったよ.
だんだんと自分の「ブログ」というものが梅田先生の言う「自分の分身」の様に感じられてきた. そうなると,しょぼいサブドメインは嫌になってきたので,独自ドメインを取ることにした. この時に自分のハンドルを決めようと思った.この先もずっと使えるようなハンドルが 必要だなと思った.で,自分の名前から「riywo」として,ドメインを取得.晴れて 自分のURLを手に入れ,ブログというものを本格稼動させるに至った.それが,本ブログ 「As a Futurist…」ということになる.
RSSとSBMとTwitterとTumblr
しかし,ブログまでは静的な情報をほんの少しだけ動的にした程度だった.ここに RSSとSBMとTwitterとTumblrが入ったことで,完全に「動的な接触」へと変化した.
ブログを書くようになると同時くらいに,他の人のブログのRSSを読むようになってきた. 最初に誰を登録したのかは覚えていないが,GoogleReaderを使って,dankogaiや medtoolzさんなど様々な人のフィードを登録していった.これまでRSSってのが何なのか 意味が分からなかったが,とても重要だとわかってきた.これを使い出したことで 入ってくる情報の量が圧倒的に増加した.
そうすると,それを読んで感じることも増えるので脳では覚えられなくなってきた.そこで それをメモするツールを探していたところ,ソーシャルブックマーク(SBM)というものが あるということが分かってきた.SBMについては登場当初から存在は知っていたが, ホントに初期のブックマークを共有するという考え方しか持っていなかった.しかし, ブログなど,ウェブ上のあらゆる情報がパーマリンクを持つようになったことで,ブックマークは ドメインやサイト毎ではなく,エントリ毎になっていることに気づいた.これは重要な変化だと思う.
エントリごとにコメントとタグを付けてどんどんウェブ上に記録できるSBMはメモツールとしては 最高だなと思った.日本でははてなブックマークかdel.icio.usがよく使われているようなので どちらかを使うことにした.結果的にはFirefoxのアドオンが優秀だったのでdel.icio.usを使うことに した.
この時にタギングの技術に触れた.単語でタギングしていってもいいけど,後での検索性や フィードのことを考えたタギングが重要だということに気づいた.なのでタグに接頭辞をつけて, カテゴリや感想などを付けるようにした.また,コメントは文字数制限があり,最初は不満だったが, よく考えると制限に収めるようにする段階で頭の中で整理もできていて実は良いということも分かってきた. また,Plaggerを使ってdel.icio.usとはてブは同期させるようにしている.さらに,自分の ブクマコメントをまとめておきたいと思って,del.icio.usの機能を使って,毎日のブクマを ブログに投稿させるようにした.
こうしてインプットのRSS,アウトプットのBlog,簡易メモリとしてのSBMが整備され, かなり情報の流れが変わってきたことに気づいた.そんなときに出会ったのがTwitterだった. これももちろん存在は知っていたが,使い方は分かってなかった.クライアントであるTwitを 使い,何人か好きな人がFollowしている人を真似してFollowすることで,Follow数を爆発的に 増加させた瞬間に,このサービスは見え方が変化した.情報のインプットとアウトプットの スピードが圧倒的に速いのである.
Twitterを利用するようになって,脳がふと意識に上げてくる構造をいつでもどこでもすばやく 記録することができ,さらにそれを誰かが見ているという状況になった.これは今までの人生で ありえなかったことだ.このスピード感はたまらない.ちょっと前ならSNSやブログに 書いていた「アニメ見た」とかのどーでもいいコメントはどんどんTwitterに投げればいいし, 一方でふと思ったことについてつらつらと長文を書くこともできる.さらに,良質な情報が タイムラインから流れてくる.今は1200人程FollowしているのでS/N比は必ずしもいいとは 言えないが,Sの絶対量が重要なのだと思う.だからS/Nにひっぱられずにともかく量を保っておくと Twitterというのは今までに存在しなかったサービスなのだと気づく.
これでもう十分だろうと思っていたところにやってきたのがTumblrだった.これも存在は知っていたし 少し使ったこともあったが,ダッシュボードでの閲覧は面倒だし,Reblogの手間も面倒だし, ブックマークレットでのポストは遅くて嫌だったので使っていなかった.しかし,これもツールによって 激変した.FirefoxのアドオンであるGreasemonkey上のAutopagerize,Minibuffer,LDRizeという 3つのスクリプトと,ReblogCommand,ShareTwitterOnTumblrというコマンドスクリプトによって Tumblrライフは快適になった.さらにアドオンのTomblooを入れたことにより,あらゆるページから 簡単にポストできるようになった.
Twitterが自分の「思考」を示すものなら,Tumblrは自分の「嗜好」を示すものだと思う.ダッシュボードに 流れる好きな絵や写真,いいなと思うコメントや引用をどんどんReblogしていくことで,自分の好みを 表すTumblrが出来上がっていく.そういう気持ちでReblogをしていると,これもこれまでには 存在しなかったサービスだなと気づく.
SBMコメントをブログにポストさせていたのもやめて,Tumblrに取得させるようにした.こうすることで 自分のSBMコメントはTumblrの一つのポストとして,Tumblrの海に投げ込むことができるように なったのである.
ローカルではMindMapが革命的
これまではインターネットとの接触だったが,ローカル,つまりPCとの接触に関しては MindMapという概念に出会ったことで,情報の記録や思考方法が変化した.
MindMapツールとしてはFreeMindを使っているが,高度な機能など何も使っていなくて, 情報をツリー状に組み立てながらメモできる機能だけで十分だ.授業や講演のメモをこれで 取るようになってから,アナログにノートにペンでメモをとるときのやり方も変化していて, 箇条書きでサクサク書けるようになってきた.
MindMapは単にメモの方法というだけでなく,思考のツールとしても重要だ.ものを考えるときに 頭の中だけで考えてもいいのだが,MindMapを使って,今考えていることをどんどん可視化していき, それを目で見て客観的な突込みを加えることができる.一度頭の外にだすことで考えがどんどん進んでいく.
MindMapによってメモ→考えるというプロセスが高速に行えるようになった.これはローカルならではの スピード感である.
現在の情報の流れ
という感じで,僕のWeb2.0化は着々と進行している.現在はこのような情報の流れになっている.
- RSSリーダ
- GoogleReaderでフォルダに分けて読む
- 必ず読むフォルダ
- 時間があれば読むフォルダ
- じっくり読んだエントリはSBMでコメントを付けてメモ
- GoogleReaderでフォルダに分けて読む
- Twitter
- 日常的に独り言をつぶやく(感覚的には30ポスト/日くらい?)
- カジュアルな日記的役割
- PCではTwitから投稿
- 携帯ではtmitter経由のメール投稿
- タイムラインの閲覧は主にTwitで
- これはいいと思ったコメントはFav
- alertterで自分向けの返信は携帯にメール送信
- SBMにブクマしたことをBktterを使ってポスト
- ブログにエントリを書いたことをTwitterToolsプラグインでポスト
- 日常的に独り言をつぶやく(感覚的には30ポスト/日くらい?)
- Tumblr
- Autopagerize+Minibuffer+LDRizeでダッシュボードを閲覧
- 好きなものはReblogCommandでどんどんReblogする
- SBMのフィードからコメント付きでポスト
- Twitterでおもしろいやり取りやFavを適当にShareTwitterOnTumblrを使ってポスト
- ブログのRSSも取得してダイジェスト付きでポスト
- Autopagerize+Minibuffer+LDRizeでダッシュボードを閲覧
- Blog
- 自分の考察を加えたエントリを主とする
- プログラムやサーバ,PCがらみのネタはメモも兼ねて書く
- TwitterToolsプラグインでサイドバーにTwitterの最新ポストを表示
- TumblrのJSを使って,ページにTumblrの最新ポストを表示
- MindMap
- リアルでのメモに利用
- ものをじっくり考える時に,脳の中を一度外に出すのに利用
こういう感じ.この4つが密にからみあっていて今の「僕」を構成している. 自分の脳は記憶デバイスとしての機能を減じて,推論や感性の部分を担当している感じ. だから,これらのサービスに接続できない状況で色々聞かれても結構困ってしまうのが実情.
従って,PCという端末は完全に「僕の一部」となっているのである.だから,ノートPCは いつも持ち歩けないと困るし,インターネットにもつながっていないと困るからイーモバイルと 契約している.これをして,僕はPCを「第6感」と表現している.PC(+インターネット)が 無ければインプット情報が不足するし,アウトプットに苦労する.もっと言えば,情報のメモリにも 苦労するのである.だから,PC持込禁止とか言われるとそれだけで僕と言う人間は 5割減くらいになるし,インターネットにつながらなければもはや僕は存在しないと言ってもいい.
インターネット依存だ,PC依存だ,ひきこもり,オタク,…,なんと呼ばれようと,もう前の スタイルに戻ることはできない.今のスピード感に慣れてしまった僕の脳や手にとって, 旧世紀のやり方はストレスの塊なのだ.そちらにしか慣れ親しんでない人は無理に移る必要はない. だって,もう戻れなくなるから.だが,現状に不満を感じている人はPCを第6感とするような 新しい時代の情報処理に移ってみてはいかがでしょう.
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Comments:3
- nitian 08-04-21 (月) 22:20
-
印象的なエントリですね。共感します。第六感としてのウェブという概念は興味深いです。個人的な近況は「いかにネットから離れる時間を取り、思考を研ぐか」ですが。本を読んだり、人と話したり、風の向きを感じたり。けど遅かれ早かれウェブでもリアルと変らない感触でてんとう虫の動きを観察出来るようになるでしょう。そん時、僕たちは果たして正気でいられることが出来るのでしょうか?
- riywo 08-04-21 (月) 23:38
-
>nitianさん
第6感と言ったのには二つの側面があると思っています.一つは 他の感覚と同一のレイヤーにあるということ.もう一つは,そうは 言いながら第”6”感と言うように他の感覚と異なるということ. なので,どこまで行っても第6感から得られる質感は他の5感から 得られる質感とは異なるのだと思っています.
一つの感覚にのみに強く依存することもアリだとは思います.例えば ヘレン・ケラーは触覚に強く依存しましたし,耳の不自由な方は 視覚に強く依存していると思います.それはそれで脳が可塑的に 対応するのだと思います.だから第6感に強く依存するのもそれは それでアリだし,逆にあくまで一つの感覚としてフラットに 捉えるのもアリだと思います.
「いかにネットから離れる時間を取り、思考を研ぐか」
についてはなるほどですね.これをヒントにしながら今度エントリを 書きたいと思います.ありがとうございます.
- riywo 08-04-22 (火) 8:09
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関連するエントリを書きましたのでこちらもどうぞ.
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