文章を書くということについて〜ファンレターをもらったので

はてなで有名なid:Hashさんからファンレターエントリを受け取ってしまいました. 僕はノンケなのに困りますね>< ウソですウソです.非常にうれしいですね. 「自分が生み出したもの」に対して,掛け値無しの素直な言葉で「好きです」と 言ってもらえることの快感.マズローのうんたらかんたらじゃないけど, これって人間として生きてる喜びなんじゃなかろうか.

このブログのエントリの分類

僕が長文をパブリッシュする先は現在このブログしかないので, 僕の文章はほぼすべてここにある.で,エントリ(特に最近の)を見てもらうと, 大体以下の様に分類できると思う.

プログラム関連

これは,自分の興味関心が今そこに向いているのを示すために書いてる. デブサミでも言われた様に,ともかくやってること・やったことを アウトプットしてしまうことで,それ以上のフィードバックがインプットとして 得られる.

書評関連

本を読んでそれについて書く場合は,言いたいことはただ一つ. 「この本はすばらしすぎるからみんな買って読め」だけ.そのために 全力を尽くす.別に要約をしたいわけではないが,僕の人望では, 「僕が勧めたという事実」だけでは誰も買ってくれないので,仕方なく 内容まで軽く紹介している.

個人コラム

個人的に一番楽しみつつ,最も頭を使って書いてるのがコラム系. 僕の頭の中にある「構造」を「言語」に翻訳していく作業がとてつもなく 楽しい.伝えるためにやっている部分もあるし,自分の理解を深めるために やってる場合もある.

僕の文章の書き方

ただし,どのエントリであったとしても書き方はほぼ同じだ.それは

「ほぼ一筆書き

であるということ.僕は文章を書く時に,上から下まで流れる様に書かないと ダメなんだな.文章のリズムが一番大事だと思ってて,id:Hashくんに指摘されてるけど 「接続詞の使い方がうまい」っていうのは,推敲とかをやらないからだと思う. 書いてる時のリズムそのままに伝わる様に文章の流れを自然と調整してる気がする.

卒業論文が真逆の典型例だった.僕がリズムある文章を書いても,その エッセンスを勝手に他人に抽出されて,無理矢理つなぎ直された文章に 「変更せよ」と言われるので,リズムもクソもない文章が出来上がっていく. 書き始めてすぐにその事実に気づいたので,さっさと自分らしい文章を 書くことはあきらめて,言われるままにコピーして書くだけにした. あれは苦痛でしかなかったし,あんなの僕の文章じゃない.だから 僕は大学に行くべき人間じゃなかったんだよね.

確かに推敲とかしないと間違ったままだったり,冗長だったり,不足だったり するかも知れない.でも,そのデメリットを被ってでも,僕は「リズム」を 大事にしたい.僕の頭の中の構造を流れるままに表すには,リズムを 切ったら伝わらないし,僕の文章じゃない.

見出しについて

ブログでは見出しを使っているけど,これは実は後からつけていることが ほとんどだ.文章を書く時に多くの人は「文章構成」を考える=見出しを考える ことを先にやってから,それぞれの要素を埋める様な書き方をしてる気がする.

やっぱりこれも「リズム」を阻害する.一筆書きをする中で,自然とリズムが出て 文章に「切れ目」が出てくるはずだ.そうして最後まで書ききったあとに,その 切れ目に対して適切な「見出し」を追加すれば,読む方にもリズムが伝わりやすい.

先に構造を考える時もあるけど,せいぜい「プロローグ」「本文」「まとめ」くらいの メタ的な構造くらいしかやらない.それぞれの中身は書いてみないとどうなるか わからない.

文章を「生み出す」ということについて

自分自身で文章を書く時に,先に「構造」を規定する行為は,なんとなく 「演繹」を彷彿とさせる.つまり,見出しが先に書けるほど構造化できてるので あれば,多分それは文章にする必要もなくて,その見出しだけで伝えられると 思う.そこで書く文章はあくまでも「解説」でしかなく,言ってしまえば, 文章を書く行為に付随するクリエイティビティは低い.

僕はそこまできれいに頭の中でまとまっていることはまれで,むしろ, 「文章を生み出す」中で「構造を生み出す」ことをやってたりする. 「書く」行為は,頭の中を外に「記述」するんことよりも,それを きっかけにしながら,逆方向,つまり「新しいこと」を「頭の中に刻む」 ということをやっている.実際,このエントリも一筆書きで書いてて, 「そっかこういうことかも」と思ってこんなことを書いているに過ぎず, 書き始める前にこんなことが出てくるとは思ってもいない.

従って,僕が物を書くことをやめることはあり得ない.書くという行為は 僕にとってアウトプットであると共にインプットでもあるし,そして「考える」 行為でさえある.

どうやったらこうなるかなんて知らん

一体いつからこんなひん曲がった書き方をしてるんだろうなと,ふと振り返ってみると, 多分小学校4,5年くらいの頃からだ.ある日,小学校の課題で作文だか感想文だかを 書く様に言われた.僕はその時まで「作文」が大嫌いだった.全く文章が書けなくて, 400文字埋めるとかどうやるかと途方に暮れていた.それが,その日突然天啓が 降りてきて,すらすら書けた.あれは本当になんだったのか分からないけど, ともかくある日突然文章を書くことが簡単にできるようになった.その時以来, 400字を埋めることよりも400字に収めることの方が大変になってしまった.

だから,どうやったらそういう思考になるのとか聞かれたって答えられない. そうなってるからしょうがないとしか言い様がない.文章を書いていて手が止まるという ことはほぼ無い.

もちろん,書ける内容についてしか書いてないからっていうのはあると思う. 昨年末にコミケに小説を出したけど,あれは「こんな感じのを書きたいなー」と ずっと思ってたので,40ページくらいの小説をほぼ一筆書きで書けた. だからと言って「あたし彼女」を一筆書きできるかと言われたら,僕には無理だ. 1文字も書けない.

書きたいことを書くだけだし,書きたくなるまで勉強するだけ

多分だけど,僕は「書くのが突然得意になった」のではなくて,「書きたい対象を 見つける・そこに誘導するのが突然得意になった」んだと思う.自分が書きたい ことについてだったら誰でもスラスラ書けるはずだ.僕はいつもそれをやってるだけ. もちろん,id:Hashくんには及ばないまでも僕も興味拡散系なので,大抵のことに 「興味」が向くし,「興味が向く=考える=書きたい」なのですらすら書ける.

文章の書き方は人それぞれだから,好きに書けばいいと思う.少なくとも僕は 僕の名前で出す文章は「リズム」が一番大事だと思っているから,リズム良く 書けない話題については書かないか,リズム良く書けるようになるまでその話題を 勉強する.

僕にとって,文章を書くことは言葉を発することとほとんど同義だ.むしろ 書く方が記録に残るので優位でさえある.ひとつところに頭をつき合わせて 音声を使ってみんなで話し合って何かをするのがいいという人もいるだろうが, 僕はむしろ書き言葉メインに最適化されてる人なので,ブログやTwitterは この上ない環境だ.確かに時間遅れは否めないだろうが,脳みそのストレスは 圧倒的に会話や電話よりも少ない.その分だけクリエイティブにまわす余裕が 生まれるとすれば,多少の時間遅れというデメリットは僕にとっては あまり意味の無いものだ.相手がどう思うかは知らないけど.

おまけ:構造構成主義について

最後にid:Hashくんが興味を示していたので,軽く紹介.時間がある程度とれる人は いいから「構造構成主義とは何か」を読めばいい.読むために必要なのは 特別な知識などではなく,「なんで世の中こんなにアホが多いんだ?」と思ったことが あるという経験のみ.特に「二項対立」に困ったことがある人ならスラスラ 読めると思う.というわけで「買って読め

で,内容はと言うと,簡単に言うのはあまりよろしくないのだけど,ざっくり言えば

「絶対的に正しいものなどなく,しかたなく認めざるを得ない『私』と私が体験する 『現象』を各人が『正しい』と思えばよい.そんなバラバラな人間が共通理解を するためには『私の現象』と『あなたの現象』をうまく説明できる共通の『構造』を 言い当てることしかない.今よりもより良く説明できる『構造』があるならば更新して いけばよい.」

といった感じかな.そういうスタンスというか,考え方を「構造構成主義」と言ってます.

おもしろいのは,さっき「」の中で書いたこと,それ自体が「構造」であり, アップデートされて構わないということ.構造構成主義は「主義」というよりも 「理路」であり,一段上にあります.もしも今ある構造構成主義という「構造」に そぐわない「現象」があったとすれば,それを説明できるような新しい 「構造構成主義」を言い当てればいいだけの話.何が正しいかなんて,そんなの 分かるわけないんだから,更新できることが大事.

ものすごくざっくり説明したので,用語の説明とか省いてます.もしも興味を 持った人がいれば,「買って読め」.もしくは一応僕が読んだ時の メモ書きがあるのでそれを読んでもいいけど,絶対に原著を読んだ方が参考になるはず.

おわりに

ということで,id:Hashありがとー!はっしゅさんとはTwitterで出会い, あまりにもその思考過程が似ているということで,「ドッペルゲンガー」と 呼んでおりますが,彼の行動力はすごいです.ドッペルゲンガーとか恐れ多いです.

現在彼は就職活動中で,すでに内定が出たにも関わらずその行動力はさらに 加速している模様.以前一度会った時はどちらかというと僕がしゃべって しまったので,今度ははっしゅさんの言葉を聞きたいな.就職活動終わったら ぜひ内定祝いでお食事しましょうw!

id:Hashの文章は僕も好きで,ブログは購読してる.文字サイズの使い方とか 僕は全くできないのでうらやましいし,あと脚注とか引用もうまい. 僕とは違ってアクティブに活動していて,その体験から導かれるすばらしい 内容だからこそ,これだけはてブされてるんだと思う.すごいなー.