桂馬の様に「斜め上」に世界を広げ続けたい

最近「斜め上」を感じなくなってきた。目に入るもの、耳に聞こえてくるものが、 どれも「まぁそりゃそうなるよね」「当然だろうな」と思うことが多くなって来た。 世の中の変化があまりにも当たり前のことばかり過ぎて、若干つまらなくなってきた。

予想の範疇

別に、僕はこの先の世界を完全に予期できているとかそういうつもりは無い。ただ、 何かを聞いたり見たりした時に、別に驚いたりすごいなと思うことがほとんど なくなってきた。転じて周りを見てみると、僕からすれば当たり前のことにいちいち 驚いたり関心したりしていて、おもしろい。

よく、「普通ではないキャリアを歩んできた」みたいな自己紹介を聞く。 まぁ確かに世人的なものから比較すれば、かなり変わったキャリアを歩んでいる人は そこらじゅうにゴロゴロいるようだが、そのほとんどの人は今現在「普通」だったりする。 「え、なんでそんな当たり前すぎるポストに収まるの?」という、逆の驚きを 受けることがあるとは言えるが、ともかく人も世界も、過程はどうあれ結果的に (少なくとも僕から見れば)収まるところに収まっていることが非常に多い。

予想の範疇の動きが最近多すぎて、なんだこのつまらん世界はと、ふと思ってしまった。 唯一予想を裏切る動きをするのは、会社のWindowsPCくらいだろうか。

桂馬的世界の広げ方

約2年半前、いろんな物に絶望していた僕はそのとき初めて出会った「文章」という ものに、恐ろしいくらい「斜め上の世界」を見せつけられた。梅田先生の 一言一句は、半分は僕の予想の範疇というか、僕の思考を言語に固定化してくれた ものだったが、もう半分は斜め上を常に提示してくれた。おかげで僕は一気に 階段を何段も飛ばして世界を広げられた。medtoolz先生の記事はいちいち僕を うなずかせた上で、さらに斜め上の世界を提示してくれた。西條先生の構造構成主義は 斜め上の世界の見方と登り方を詳細に教えてくれた。

斜め上の世界を知ることは、将棋の桂馬に似ている。桂馬の特徴は、斜め上に、 しかも一足飛びに進めることと、その途中に障害物があっても飛び越えられることだ。 王将は全方向に進めるが1歩ずつだし、飛車や角行は直進できるけれども障害物を 越えることはできない。そして、桂馬は後ろに下がることもない。

僕の世界は桂馬の様に広がってきた。興味の拡散の仕方が桂馬のステップの様に 斜め上へ斜め上へと世界を押し広げてきた。きっと僕やid:Hash(@T_Hash)を 初めとする「興味拡散系」の人種にとってはこれがスタンダードな成長なのだと 思う。

興味拡散系じゃない人の多くは、歩兵の様に一歩ずつ確実に進むか、香車の様に 一気に1方向に進むかなんじゃないかと思う。障害物に当たったらとりあえず そこで自分の歩みを止める。そういう感じ。

止まってしまった世界の拡大

こうやって軽快に世界を広げて来たんだけど、どうも最近桂馬の様なステップアップを 感じなくなってきた。俺も所詮この程度の人間だったのだろうか。それとも、 斜め上に広げすぎて世界の極限に近づいてしまったのだろうか。構造構成主義的な 考え方をすれば世界に極限なんてないのだが、プラトン的な考え方で言えば僕は イデアに近づきすぎたということなんだろうか。

周りの人間も、周囲の動きも、起こる出来事も、これからの計画も、なんか どれもこれも当然のことばかりだ。パッとしない。

多分、仕事を始めたことも関係しているはずだ。社会に初めて出た4月から、 自分で言うのもあれだが、僕はものすごい勢いで成長している。それは 仕事ができるようになるとかいう次元の成長だけじゃなくて、価値観や考え方の レベルでも圧倒的に成長している。4月時点の自分は、穴に埋めようとしても 小さすぎて埋めれないくらいにカスだったと思う。

だが、やはり「仕事」という視点にフォーカスが合いすぎている部分もある。 当然、そんなことは承知の上で社会に出たし、今までしてこなかったから 一度はそうやってフォーカスを合わせることをしてみたかったので、別に何の 不満もない。とは言え、1つのことを視点の中心に置いて行動している以上、 どうしても「斜め上」を見つける力は、一時的とはいえ、衰えていると感じる。

でも、それにしても最近とみに少ない。斜め上を行っている人がいるだろうと 思って行ってみても、ほとんどの人は普通だ。びっくりするぐらいパターン通りの 動きをする。もちろん、頭の中ではそうではないのだと思うが、僕が 見聞きできる狭い範囲で見る限り、大抵の人間はパターンにはまっている。 ドグマに囚われている。

もちろん、人生にそういうフェーズは不可欠ではある。僕もその点では そのフェーズ下にある。僕はそれが僕の成長に不可欠だと感じたから この会社に来たわけで、何度も言うが何の不満もない。この会社が あてがってくれるパターンは、他の会社では味わうことのできないレベルだと 僕は感じている。

斜め上の世界を見せてくれる人・場所を募集中

ただ、世界の見え方が歩兵クラスになるのは嫌だ。だからとりあえず本を読むし、 斜め上を見せてくれそうな場所や人には極力関わりたいと思っている。 本に関しては結構当たりくじを引く自信があるが、人や場所については僕は 当たりくじを引く能力が低い。

久々につまってしまったこの障害物を飛び越えるには、とびきり斜め上に ステップアップしないといけないんだろうなと思ってる。というわけで、 僕に斜め上の世界を見せてくれる人を募集しています。

眠い。。。

いつも僕の文章読んでる人は分かるかもしれないけど、このエントリは 「桂馬」の例えが書きたくなってしまったから書いただけだったりします。 すみません、安直で><

そろそろ眠いので終わりにします。やはりブログを書く暇がありませんね。 というかそれより先にコミケの新刊を書かないといけない…。

てんてけ 09-07-21 (火) 23:00

こんばんは。
日本のクラシック音楽に向かっていろいろ書いていますが、興味あります?

fukutaro 09-11-10 (火) 0:45

はじめまして。
素敵な文章を書かれるのですね。
PCにかじりついて、一時間強。
眠いのも忘れて、一気に読んでしまいました。
素敵な文に巡り合うと、幸福感でいっぱいになります。
ありがとうございます。

私も同じようなことを思って悩まされたことがありました。

差し出がましいのですが、コメントさせてください。
 
日経新聞の連載コラムで瀬戸内寂聴さんが岡本太郎の言葉があるから私はものかきとしてやってこられたのだと書いて 
おられました。

岡本太郎は「二択なら上手くいかないと思うほうを選択しろ」と言われたそうです。それを今まで実践してきたとあっけらかんと言われていました。

その後興味をひかれて読んだ岡本太郎の本に
「人生は積み重ねではなく、積み減らしていくもんだ。
上手くいかないと思うほうを選択しろ、そうすれば、熱いパッションがこみあげてくる」
とかかれていました。

んな馬鹿なと思いましたが、最近はその言葉が実践できそうな気がしてくるから不思議なもんです。

tama 10-04-02 (金) 15:14

格言で「桂馬の高飛び歩の餌食」