社会人1年目を振り返ってみて「こんなに成長してよかったの?」と思った

いつの間にやら社会人になって 1 年が過ぎてしまいました。この 1 年間を振り返って一言で 表現するなら、生まれて初めて「成長できた」だと思います。ただただ、それだけ。

初めての本物の「セカイ」

会社に入るまでほんとつまんない人生歩んできました。自分の周りに見えるほんの少しだけの世界を「セカイ」だと 思い込んで小さい枠の中で天狗になったつもりでいただけ。自分で引いた枠の中で成長しているだけの人生。 今振り返れば、24 年間子どものままだったなと思います。

4 月 1 日に会社にやってきて、その瞬間から給料が発生していると感じた時、意識が変わりました。 自分の時間が自分だけのものでないという、大変さは当然ありますが、その代わりに給料と とてつもなく大きな「セカイ」を与えてくれるということに気付きました。

うちの会社では新人だろうが何だろうが、すぐに会社の「表面積」を担わせます。その面積は 人それぞれではありますが、自分一人がさぼるだけですぐに会社という風船はしぼんでしまう。 そんな強烈なプレッシャーの中に放り込まれると、人間は恐ろしく成長できるものだと知りました。

僕は自分に甘い学生でしたので、学生生活でそれを自分から求めることはできませんでした。 24 年間そうやって生活してきたので、当然成長なんてするわけありませんでした。 自分で決めた線までたどり着いて満足しているだけの、安心だけど面白くない人生。

ただ、そうやって生活してきて、それがどう考えても問題だということにも気付いていました。 できる学生は自分でそういう環境を作って成長するんでしょうが、僕みたいなダメ人間は 環境がないとできません。その意味で社会人は須らく「給料」に対する責任が発生するので ダメ人間にはもってこいだな、という意味合いもあって就職してみたわけです。

「こんなに成長していいの?」

ありがたいことに僕の期待した通り、というかそれを遥かに上回るレベルの責任を経験することのできた 社会人 1 年目でした。こんなに成長していいの?と自分でも疑問を持つくらいに成長してしまいました。

基本人間嫌いで天狗のあの僕が、ヘルプを他人に求めることができたり、 自分で何でもやりたがりの僕が、効率やリスクを考えて他人に依頼することができたり、 一つのことだけをやるのが大嫌いなこの僕が、仕事だけに打ち込むことができたり。

これらはちいちゃなことかも知れませんが「仕事」というものを身につけることができてきたということが、 自分が「成長」を一番実感する部分です。「仕事」をしている間は本当に常に頭がフル回転している感覚があります。 24 年間味わったことのない感覚です。きっとこれが「オトナ」になるということなんだなぁ。

もちろん、まだまだです。だって 24 年間成長ゼロだったんだから、1 年経ってやっと人間のスタートラインを 数歩超えられた感じです。でももっともっと仕事できる様になれると自分の伸びしろを感じています。 かつて、自分で甘いラインを引いてその淵までたどりついてそれで安心していた頃の自分とは、全然違います。 周りの人が常にそうしているから、そうせざるを得ない。せっかくここにいるのに、自分でブレーキ踏むなんて アホらしくてやってられないし、会社の迷惑。

「不安」を払拭するための 1 年

この 1 年で自分は「仕事」をやっていけるという実感を持てました。最初はそれが不安で不安で仕方なかった。 僕は「学」から一度逃げました。それは自分は違うフィールドならやれるはず、という思いあがりがあったからです。 自信はありましたが、今振り返ってみると、あの自信は間違っていました。結局狭い世界の中で勝手に 思い上がっていただけでした。研修始まって初日に気付きました。

そこからゼロスタート。一度頭の中を仕切りなおし。ここでもやっていけなかったらあのエントリは一体なんだったのか。 必死でもがき苦しむ中で、それでもなお僕はここでやっていけるはず、という客観的な自信をつかむまでには 少し時間がかかりました。でも、今ははっきりと感じています。

「僕は生きていけそうだ

とりあえず食うのに困ったら仕事やれば死なない(それは物理的意味でも精神的意味でも)という感覚。 そして仕事ができるという自信。たかが社会人 1 年生が思い上がるなと言う人もいるでしょう。 もちろんその通りです。僕は全然レベル低いです。ただ、最低レベルはカバーしたと思いますし、 もっと成長できるという事実も確信しています。年功序列という意味ではないですが 経験積めば成長は止まらないと思います。

成長を続ける

そんな感じでアクセル全開でやれることはまずまずやれた一年でしたが、できなかったこともたくさんあります。 特に将来に向けての仕込みが全然です。僕の当面の目標は(仕事ができるようになることは当然ですが)、 「5 年以内に自費でアメリカ留学」です。これは変わりません。

この 1 年は上記の「不安」を取り除くために必死で仕事というものを覚えていきました。おかげで仕事の覚え方を 覚えることができ、「不安」の半分くらいは消し去れました。その分を今度は将来の仕込みへとまわしていけたらいいなと 思います。これは仕事さぼるという意味ではなく、脳みその時間(cpu 時間みたいなもの)を少しだけ仕事以外にも 傾けていきたいという意味です。この 1 年はほぼ仕事しか cpu 時間使ってなかったですから。。。

成長を続けるというのも、これまた相当なプレッシャーですが、それを心地よく感じるくらいに 突っ走る decade にしたいと今は考えています。それでも出不精&人見知りは対して変わっていませんので 皆さん色々つついてくれると助かります。

Stay hungry. Stay foolish.

  • 194Q 10-05-20 (木) 10:21

    大学院辞めて、就職の選択、うまくいって良かったですね。
    当方、還暦、定年で仕事は終わりにしました。
    高卒。大学行かず。某官庁で船乗り(機関科)4 年。某石油化学会社で 30 年近くプラントの保全担当。高度成長期でもあり、まあ、今の就職状況を考えるといい時代ではありました。官庁での船乗りは、世界中を回ってみたいが、知識、技術もないので、経験を積もうとしたため。貴君の「アメリカ」のようなもの。夢は覚め、転職、結婚、子供もでき、持ち家でローン。後は、仕事、仕事。定年。

    貴君、24 年の自己分析の結果、大学院脱出成功。(退学ではなく、キルケゴールのあれか、これかの 2 社択一による脱出と推測します。)アメリカ留学、成功させて下さい。

    ただ、若いから、体はしんどくても持つが、「神経」のほう痛めよう、気お付けてください。

    アラン・シリトーの「長距離走者の孤独」かなにかで「やつらも、ずるいが、俺はやつら以上にずるい。そうで、なければ生きていけない」とか言っていた気がします。
    老婆心ながら、組織の中の人間は、もうご承知と思いますが
    「いいやつ」ばかりではありません。
    慎重に、夢を達成してください。
    応援してます。貴君の文章を読んで「若いころ」を思い出し
    投稿しました。