Developers Summit 2011に参加してきた

去年は残念ながら行けなかったので今年は死んでも行ってやるという気合の元に、デブサミ2011に参加してきました。年度末も近い平日の日中に2日間もかけてやるセミナー。仕事することだけが趣味の人からしてみれば「なんで行くの?」というものかもしれませんが、IT業界のエンジニアとして誇りを持って仕事したいんだったら絶対参加して会場の熱気を感じるべき。

前々回参加したときは、ちょうどこれ書く直前の多感な時期だった様で、偉そうなこと書いてますね。今読むと恥ずかしいぐらい無知だこいつ。。。

今回は前回とは自分の側が大きく変わっています。WEBのエンジニアとして約2年仕事して「仕事としてエンジニアリングすること」について自分なりには思うところができてきたところでの参加。だからこそ前回よりも強く感じました。「参加してよかった」と。というわけで、以下、良かった点をばーっと列挙。基本的にいろんな内容のセッション聞いてるので発散気味になってしまいますがご容赦。あとネガコメはこのエントリではカット。

プレゼンの勉強になる

これは前回も思いましたが、デブサミに登壇される方の多くは非常にプレゼン能力に長けていて、ともかくそのプレゼンを見るだけでものすごい刺激になります。そういえば、自分も多用している高橋メソッドを初めて把握したのは2009デブサミで本人がされてたのを見てからだと思い出しました。

特に今回のデブサミで個人的に一番ガツンと来たのは@t_wadaさんの「プログラマが知るべき、たったひとつの大事なことがら」。彼がどう考えてどうしてきて、なぜ今ここにいるのかについて、ゆったりとした間と静かながら力強い言葉で語られるプレゼンは本当に感銘を受けました。自分はいつもネタな発表しかしていないので、いい加減これぐらいの枠でこうやって真面目に語るプレゼンしたいと強く思いました。ホントかっこよかった。

初めに大きなアジェンダを出す、チェックポイントスライドで時間を確認、初めに出したキーワードに最後戻ってくる、などテクニカルな面でも非常に参考になりましたが、何よりも内容がすばらしかった。僕はSIみたいな大人数でのプロジェクトしたことないし受託もしたことないしそもそも開発者じゃないから、本当の意味で和田さんのいる世界のことは知りません。でもそんなの関係なしに彼の思いは強く伝わってきました。これはプレゼンの為にどうこうとかいうレベルじゃなくて、普段からこうして考えて行動しているからこそ、初めて出会う人にもきちんとしたロジックで伝わるのよね。

「プログラマが知るべき97のこと」は正直自分はプログラマじゃないし、、と思って遠慮して買ってなかったのですが、大きな思い違いをしていたということで、早速オライリーブースで購入して、よしおかさん・関さん・和田さんにサインを頂きました。

「プログラマが知るべき97のこと」にサイン頂いた

「108番目のきのこはあなたが書いて下さい」という和田さんのメッセージ。強く意識しよう。

その他にも、事前には一番楽しみにしていた可知さんの「オープンソース白熱教室」も秀逸でした。会場にオープンソースで活動されている方がたくさんいたからこそ、本当に盛り上がったすばらしいセッションだったと思います。日本人のセッションであれだけ大人数がいるセッションで、会場からの声があれだけ出てくるというのを僕は初めて目にしたかなーと思います。プログラムは著作物なんだから全てのプログラマはライセンスについて興味を持っておくべきだし、理解しておくべきだと思いました。自戒も込めて。可知さんの会場の盛り上げ方はうまいなぁと感動しました。ネタで笑いとるだけの僕とは月とスッポン。この本もあとでチェックしておこうと思います。

あと、プレゼンの参考といえば直近役立つのはやはり「デブサミオフィシャルコミュニティから選出のLT大会2011」ですね。3:30という短い時間にそれぞれのコミュニティの熱い思いをぶつける真剣勝負。時間制限のゆるい生ぬるいLTもどきやって満足してる人はこれみて猛省すべきですね。個人的にはJava読書会の13年ひたすら一つのことを続けているというのに驚いたり、中学生Linuxカーネル開発者に拍手できたり、とみたさんの「今お前らがMySQLを日本語で使えているのはオレのおかげ」に爆笑したり、やっぱデブサミといえばこれだよね!というのを体感できてホント満足。

普段聞けない業界の話を聞ける

2つ目がこちら。これは社会人になった今回強く思いました。一口にエンジニア・プログラマと言っても、僕らみたいなWEBのサービスを自分たちで作っている人もいれば、受託開発もあれば、組み込みもあったりと、実は結構いろんな業界があります。僕も普段参加したり目にしたりするのはどうしても自分の業界の情報に偏ってしまうので、正直他の業界のエンジニアがどういう仕事をしていてどういう考えを持っているのかって、把握できていない部分がありました。

デブサミでは、これらの業界には関係なく、全ての「デブ」が集まっています。穿った見方をすれば、WEBの人はWEBの人の話だけ聴きにくるし、スーツな人はスーツな人の話聴きに来るだけじゃねーの?という言い方もできるかも知れませんが、そういう参加者は本当にもったいないことをしてると思います。

僕は今回敢えてそれを意識して、なるべく別業界の方のセッションを聴きにいってみました。小野和俊さんらの「クラウド上でのエンタープライズアプリケーション開発」では、エンタープライズがクラウドのストレージをどの様に利用することができるかについてものすごい大きな示唆を与えてくれました。ここの話は後日別エントリで自分の意見も含めてあげますので詳細は省きますが、エンタープライズがクラウドへどうやって移っていくのかについて自分の知らない世界を見せてくれました。あと小野さんかっこよかった。

個人的に一番意外だったのが「クラウド環境下で実現する本格的な帳票開発と運用」というセッション。どう意外だったかと言うと、最初はCOBOLで帳票ってこうやって作ってるんだよ的な話をされて、いやいやもうそういう話はいいよと思ったんですが、後半それをAmazonEC2に乗せたよという話になると、ものすごい力強く伝わってきました。EC2に作った帳票システムで帳票作って、そこで印刷ってやるとVPNでつながった会場のプリンタに印刷されてきましたよ!

方方で「クラウドクラウド」と盛り上がっていて、汎用機からクラウドへみたいな話とか聞いても、そもそも汎用機知らないので全然イメージわかなかったのですが、一発で分かりました。絶対ああいうのはクラウドにした方がいいですね。(推測ですが汎用機のメンテナンスとかで確実な売上を得ていたであろう)ベンダーが血眼になる理由を目の前で直接理解しました。

あと純粋にこれすごいと思ったのは「第三者作成ソースコードに埋れている不具合を暴け!」のCoveity。ソースコードを静的解析して、こういう条件でこの分岐に入るとNullポインタの参照が起こるとかを教えてくれる商品。何がすごいって、静的解析のアルゴリズムもすごいんだろうけど、それだけじゃなくて、実際に問題のある箇所をソースコードにインラインで表示したり、変数や関数の定義をすぐ確認できたり、問題箇所に対してバグトラッキングシステムの様に直接チケットの様なものを設定できたりと、統合環境としてよく出来てるなと思いました。ソースコードに紐付けて「この箇所の問題に対するチケット」というのが明確に分かるので、マネージする側も手を動かす側もどちらにも使いやすそうでした。オープンソースのプロダクトはスキャンしてレポートしてるらしく、多分この辺のものをやっている模様。

確かに医療機器とか原発とか航空機とか、安全が最大限求められる分野での開発においては、こういう客観的なツールでバグを潰せるというのは非常に重要なことだと思いました。パッケージ製品でもCIなツールで定期的に自動スキャンしてレポートさせることで、バグを先に潰せるというのは非常に良いことだと思います。値段は知らないんですが、静的解析はまさに自動化させるべき事柄なのでこういうシステムはもっと流行るといいなと思いました。

お祭りだし

真面目な話ばっかりになってしまったので、楽しい話も。デブサミってやっぱお祭りだと思う。普段の仕事はちょっと忘れて、疲れた頭をリフレッシュさせるのに、お祭りに参加することは重要だよね!

MySQL ConferenceやYAPC::Asiaでも感じたけど、何かをキーワードにして、所属組織や年齢や役職に関係なく一同に会することができて、楽しむことができるというのはエンジニアは一番やりやすくて本当に幸せ。そのキーワードによっていろんな切り口の人が集まってきて、そこでしかあり得ないコラボレーションみたいなのがあったりしていいよね。

今はUstreamでリモートでも見れたり、SlideShareで後からスライドだけ見るとかもできたりします。でも、Ustreamではカメラの枠の外は分からないし、SlideShareではスピーカーの間とか言葉の強さとかが伝わりません。大体、そうやって見たもので表層意識下にまで記憶を残すのは難しいと思います。たった1日2日潰すだけで、体に覚え込ませるくらいに吸収することができる。だから僕は会場に行く。

本を安く買えたり、サインもらえたり、ノベルティもらえたりというのも会場にいく楽しみですよね。

というわけでいつかしゃべりたいですねー

前からしゃべりたいなーとは言ってますが、レベル高いのでなかなか難しいですねぇ。今回弊社でたくさんセッションだしてたけど全然僕の出る幕なかったし。。。悔しくて弊社のセッションは1つも参加しなかったぜ!(会社で話聞けるしね!)

その意味ではやっぱり和田さんのトークはリフレインの様に響いてきますね。僕もまだまだこれからだなぁ。僕は一生現役でエンジニアの仕事をするつもりは今のところないけど、ずっと近いところにはいたいと思ってる。僕にできることはなんなのか、「プログラマが知るべき97のこと」を読みつつ考えていこうかと思います。

多謝!

すばらしいイベントを毎年開いて頂いている翔泳社さんはじめ、すべての関係各位に感謝です。こういう火は絶対に消してはいけないと思います。願わくは会場に電源タップが引き回されてWifiがつながるといいですねー